はじめに
自分の経験やスキルを活かして「オンライン講座を作りたい」と考える女性経営者は増えています。
場所や時間に縛られず、自分の知識を形にできるのは大きな魅力です。ですが、実際に「どうやって講座を作ればいいのか?」「どんな流れで収益化につなげればいいのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
株式会社NS-PROJECT代表の田中紗代は、これまで6000名以上の女性経営者を支援し、自身も世界4カ国ネイルチャンピオン・著者・講師として活動してきました。その経験をもとに、本記事では オンライン講座の作り方を5つのステップでわかりやすく解説 します。
ステップ1. 講座テーマとターゲットを決める
最初に考えるべきは「誰に、何を伝えるか」です。
オンライン講座を作るときに、いちばん陥りやすい失敗は「自分が話したいこと」だけを中心にしてしまうこと。講座を受けるのはあくまで受講生なので、相手のニーズに合っているかどうかが成功を左右します。
ここで欠かせないのが「リサーチ」です。例えば、Google検索で「〇〇 講座」「〇〇 学び方」といった関連キーワードを調べたり、SNSでターゲット層がどんな悩みを発信しているかを見てみましょう。また、実際に見込み客の方にヒアリングさせていただく事も、リアルな需要を把握するヒントになります。
具体的には、
・市場リサーチ:同じ分野のオンライン講座がどのくらい存在するか、内容や価格帯はどうか
・顧客リサーチ:理想の受講生が抱えている悩みや「知りたいこと」を洗い出す
・自分の強みリサーチ:他の講師と比べて、自分が語れる独自の経験や実績は何か
この3つをかけ合わせることで、「自分にしかできない」「かつ需要がある」講座テーマが見えてきます。
例えば、田中紗代のように「世界ネイルチャンピオン×経営者支援」という実績を活かすと、「ネイルスクールの開業講座」や「女性経営者のためのSNS集客講座」といった、差別化されたテーマ設定が可能です。
ステップ2. カリキュラムを設計する
講座のテーマが決まったら、次は「どういう流れで学んでもらうか」を考えていきましょう。ここで大切なのは、ただ知識を並べるのではなく、無理なく実践できるカリキュラムにすることです。
1. 期間を決める
講座の長さはゴールによって変わります。
・短期(単発〜4週間):スキル習得や基礎をサクッと学びたい人向け
・中期(2〜3か月):新しい習慣を身につけたい人にちょうどいい
・長期(半年〜1年):経営やマインドなど、大きな変化をサポートする場合におすすめ
2. 提供のスタイルを選ぶ
同じ講座でも、届け方によって雰囲気や効果は変わります。
・動画を見てもらうオンデマンド型:好きな時間に学べるので、忙しい人も学びやすい分、途中で見るのをやめてしまいやすいデメリットも。
・ライブ配信(Zoomなど):その場で質問ができて、モチベーションも上がりやすい。また配信したアーカイブで復習もできる。
・コミュニティ連動型:グループチャットなどで交流しながら進めると、仲間意識が強まりやすい
3. 学びの流れを工夫する
カリキュラムは「知る → やってみる → 定着する」という流れを意識するとスムーズです。
・知る:基礎や考え方を理解する
・やってみる:自分の事業や状況に当てはめて実践する
・定着する:課題提出やフィードバックを通して、習慣に落とし込む
こうして期間やスタイルまで考えて設計すると、受講生にとって「学んで終わり」ではなく、実際に成果につながる講座になります。特に女性経営者向けなら、生活に寄り添う形で無理なく続けられるカリキュラム設計が喜ばれますよ。
ステップ3. 収録・配信の仕組みを整える
オンライン講座は「どうやって届けるか」で学びやすさが大きく変わります。動画をどう収録し、どのプラットフォームで配信するかを決めておくことが大切です。
1. 収録方法
・スマホ1台からスタート
最初は難しく考える必要はありません。スマホがあれば十分に伝わる動画が作れます。外付けマイクも用意しているとより聞きやすさが増します。
・パソコン+ウェブカメラ
画面共有や資料を見せながら話したい場合は、パソコンでZOOMを利用しての収録が便利です。PCの内蔵カメラの品質によっては外付けwebカメラを利用するのもおすすめです。
・照明や背景
少し整えるだけで、プロっぽさと安心感がアップします。リングライトがあると印象がぐっと良くなります。
2. 配信方法
講座の内容や目的に応じて、最適なプラットフォームを選びましょう。
- ・オンデマンド配信(事前収録した動画をいつでも視聴できる形式)
・Vimeo:有料ですが、動画の保護や限定公開ができるため安心。
・Udemyやストアカ:集客機能付きプラットフォームを利用するやり方も。
・ライブ配信(リアルタイムの双方向型)
・Zoom:受講生と直接つながりながら進められる。質問の受け答えもしやすい。アーカイブを配布することも可能。
・Google Meet:Googleアカウントを持っていればすぐに使える手軽さ。
・ハイブリッド型
・「基礎編はオンデマンド+実践編はZoomライブ」など、両方を組み合わせるスタイル。受講生の満足度が高くなりやすい方法です。
3. 配信後の工夫
動画を配信するだけでは「見て終わり」になりがちです。
- ・資料(PDFやワークシート)を添付する
- ・SlackやFacebookグループなどで質問を受け付ける
- ・アーカイブを残して、いつでも復習できるようにする
こうした仕組みを作ると、受講生が安心して継続できます。
ステップ4. 集客と販売の導線を作る
オンライン講座を作ったら、次に大切なのは「どうやって未来の受講生に届けるか」です。どんなに内容が良くても、知ってもらわなければ受講にはつながりません。
オンライン講座を販売するには、シンプルに「認知 → 信頼 → 行動」の3ステップを意識するのが効果的です。
1. 認知(知ってもらう)
まずは存在を知ってもらうことから始まります。
SNS(InstagramやX)、ブログ、noteなどで情報発信を続けることで、「こういうことを教えてくれる人がいるんだ」と認知されます。また、オンラインだけでなく顧客層が集まるコミュニティに所属して顔と活動を覚えてもらったり、リアルな繋がりで名刺交換をしていくことも重要です。
2. 信頼(興味を持ってもらう)
知ってもらった次は「この人から学びたい」と思ってもらう段階です。
無料のミニ講座や資料ダウンロード、Zoomでの体験会などを通じて、小さな価値提供を重ねると信頼につながります。ストーリー性のある発信や、実際の事例を紹介するのも効果的です。
3. 行動(申込み・受講につなげる)
信頼が築けたら、次は実際に講座へ参加してもらう段階です。
公式LINEやメルマガ、ホームページやLPを通じて自然に案内しましょう。売り込み感を出さず、「次の一歩はこちら」とシンプルに示すだけで十分です。
集客と販売の導線は、この3ステップを繰り返し整えていくことで強くなっていきます。詳しい導線設計については、別記事で具体例を交えて解説します。
ステップ5. フォローアップとコミュニティづくり
講座を受けてもらったあとに「その後どう関わるか」で、学びの効果も、受講生とのつながりの長さも大きく変わります。ここをしっかり作れるかどうかで、講座の価値は一気に高まります。
1. フォローアップがあると続けやすい
講座の内容を実際に試すと、必ず「ここでつまずいた」「こういう時はどうしたら?」という壁が出てきます。
そのときに質問できる環境があると、行動が止まらず成果につながります。
- ・月に1〜2回の相談会(Zoomなど)
- ・メールやLINEでの質問受付
- ・講座終了後のミニフォロー講座
こうした仕組みがあると、安心して学び続けられるのです。
2. 仲間がいると頑張れる
同じ講座を受けた仲間とつながれる「コミュニティ」があると、学びはもっと深まります。
- ・成果報告をし合える
- ・他の人の工夫を参考にできる
- ・応援し合える
特に女性経営者は「共感できる仲間」がいることで、モチベーションが長続きしやすい特徴があります。
3. 講座の価値をもっと広げられる
フォローアップやコミュニティがあると、受講生は「ここで学び続けたい」と思ってくれます。
結果的に、再受講や上のレベルの講座につながったり、紹介が生まれたりする流れが自然にできていきます。
まとめ|オンライン講座は未来への資産
オンライン講座は、知識やスキルを形にして長く活かせる「資産」です。
特に女性経営者にとっては、ライフスタイルやライフステージに左右されずに収益を得られる仕組みとして有効です。
「自分の経験を講座にできるのだろうか?」と不安な方も、正しい手順を踏めば必ず形にできます。
もしあなたが今、
- ・ライフスタイルの変化があっても続けられる起業スタイルを手に入れたい
- ・自分の強みを講座化したい
- ・オンラインで持続可能な収益の仕組みを作りたい
と考えているなら、オンライン講座はその第一歩になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. オンライン講座はどのくらいの準備期間で作れますか?
- A.内容のボリュームにもよりますが、最短で1〜3か月程度で形にできます。テーマ決めやカリキュラム設計に時間をかけることで、受講生にとって価値のある講座になります。
Q2. 講座の収録に特別な機材は必要ですか?
- A.最初はスマホと外付けマイクがあれば十分です。慣れてきたら、照明やカメラを揃えるとよりクオリティが上がります。大切なのは「わかりやすさ」であって、必ずしもプロ仕様の機材ではなくても問題ありません。
Q3. どんなテーマでもオンライン講座にできますか?
- A.はい、専門性がある分野であれば可能です。ただし「需要があるかどうか」が成功の分かれ目になります。検索されやすい悩みや、あなたがこれまでに相談を受けたテーマをもとに講座化すると受講生が集まりやすいです。
Q4. 価格設定はどう考えればいいですか?
- A.自分の経験や提供する内容の価値によって決めます。最初は手頃な価格で始め、受講生の声や実績が集まったら段階的に価格を上げていく方法も効果的です。女性経営者の場合、「自分の知識を安売りしない」意識も大切です。
Q5. 集客に自信がないのですが大丈夫でしょうか?
- A.集客が一番の壁と感じる方は多いです。ですが、SNSやメルマガを使った「小さな発信」から始めれば十分可能です。特にInstagramは共感やストーリー発信に強く、女性経営者の講座集客には相性抜群です。
監修者プロフィール
田中紗代/株式会社NS-PROJECT代表
世界4カ国ネイルチャンピオン/経営講座「Re:Design Labo」主宰
17年の経営経験、これまでに6000名以上の女性経営者を支援
著書『PDCAを回して結果を出す!Instagram集客・運用マニュアル』(つた書房)