コラム

サロン経営者が「法人化はいつ?」と考えるべきタイミング

はじめに

 

ネイルサロン、エステサロン、美容室、まつげサロンなど、美容系サロンを経営していると、必ず「法人化はいつがいいのだろう?」という疑問が浮かびますよね。

開業直後は個人事業主で十分ですが、売上が増えたりスタッフを雇い始めたりすると「そろそろ法人にした方がいいのでは?」と感じる瞬間が増えてきます。

法人化にはタイミングがあります。

早すぎればコスト負担が重くなり、遅すぎれば税金や信用面で損をしてしまうことも。本記事では、特にサロン経営者に多いケースに沿って、法人化を検討すべき具体的な時期を解説します。

 

 

法人化を考える4つの代表的なきっかけ

 

1. 売上が安定して年商1,000万円を超えたとき

 

個人事業主は、前々年の売上が1,000万円を超えていると、その年から消費税が課税されます。

例:

  • 1年目:売上800万円 → 消費税免除
  • 2年目:売上1,200万円 → この年も免除(前々年=1年目が800万円だから)
  • 3年目:売上に関わらず免除(前々年=1年目が800万円だから)
  • 4年目:消費税の課税スタート(前々年=2年目が1,200万円で1,000万円超)

つまり、「2年目に売上が1,000万円を超えた場合、4年目から消費税がかかる」のが基本です。
このため、2年目で売上1,000万円を超えたら、3年目の年初までに法人化を検討する方が非常に多いです。

 なぜかと言うと、

※特定期間(前年前半の売上や給与支払額)が大きい場合は、3年目から課税が始まるケースもあるため注意が必要です。

 

 

2. スタッフを雇用したとき

 

人を雇った時点で、社会保険や労務管理を考える必要があります。法人化している方が信頼感があり、採用活動にも有利です。実際に求人広告では「法人か個人か」で応募の集まり方が変わるケースも少なくありません。

 

3. 大きな契約や融資を考えるとき

 

サロンの拡大や2店舗目出店など、資金が必要になるタイミングでは法人格がある方が有利です。銀行や信用金庫、物件を貸す不動産オーナーにとって「法人格のあるサロン」の方が信用力が高く、契約がスムーズに進みやすくなります。

 

4. 将来の売却や事業承継を視野に入れたとき

 

将来的にサロンを売却したい、または誰かに承継したいと考える場合、株式会社であることが圧倒的に有利です。

個人事業主だと「事業譲渡」で契約ごとに引き継ぐ必要がありますが、株式会社なら株式譲渡でシンプルに承継できます。

 

 

 

 

個人事業主と株式会社の比較表(サロン経営者向け)

 

 

項目

個人事業主

株式会社

設立

開業届だけ、費用ゼロ

設立費用 約20万円、登記が必要

維持コスト

最低限で済む(均等割なし)

毎年均等割7万円+決算公告費用

税制

所得税(累進課税・最大55%)

法人税率は一定(約23%)で高所得時に有利

事業主の社会保険

国保+国民年金

経営者も社会保険に加入できる

信用力

低め(融資・契約で不利)

高い(融資・採用・契約に有利)

廃業・承継

廃業は届出のみ、承継は難しい

株式譲渡で承継・M&Aがスムーズ

売却

事業譲渡のみ

株式譲渡で簡単に売却可能

 

 

まとめ 

 

サロン経営者の「法人化はいつ?」の答えは?

 

  • 開業初期・売上がまだ少ない → 個人事業主でも問題ありません。ただし、早めに法人化することで信用を得やすいので、最初から他店舗展開などを狙っている方は最初から法人開業することもおすすめです。
  • 売上が安定して1,000万円超えた → 2年後の消費税課税を意識して法人化の準備を初めておくと、慌てずに法人へ移行できます。
  • スタッフ採用・店舗拡大 → 法人化で信用と採用力を確保できるので、早めに検討を。
  • 将来の売却や承継 → 株式会社化が最もスムーズ

サロン経営は「信用」が事業の成長に直結する業種です。

法人化のタイミングを見極めて動くことで、税金対策だけでなく、採用・融資・将来の事業承継まで幅広い選択肢を手に入れることができるので、お金以外の面でも総合的に判断してくださいね。

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