コラム

事業の悩み、夫にはもう相談できない

「夫に相談しても、分かってもらえない気がする。」
「会社員の夫とは感覚が違いすぎて、説明するのも疲れてしまう。」
「最初は話していたけれど、結局「頑張ればいいじゃん」で終わってしまう。」

 

これは、多くの女性経営者から届く悩みの声です。

 

経営が大きくなればなるほど、抱える判断の重さは増していきます。
けれど、その重さを最も身近な夫に相談できなくなるのは本当によくある事なのです。

 

 

なぜ夫には事業の悩みを相談できなくなるのか?

 

 

感覚の違いが大きすぎる

 

経営者は日々「どう売上を伸ばすか」「資金をどう回すか」「組織運営はどうすれば良いか」を考え続けています。
たとえば「今月は売上が500万円に届きそうだけど、もう少し広告費を投資して使うべきか」というような悩み。
これを、安定した給与をもらっている会社員の夫に話すと、ほとんどの場合「そんなに無理しなくてもいいんじゃない?」という反応になります。

 

夫に悪気はありません。
でも経営者にとっては「これは未来のための意思決定」であり、「やめたら事業が止まる」可能性すらある。
つまり、立場が違うだけで、同じ事実の見え方が真逆になってしまうのです。

 

 

 

リスクの捉え方が根本的に違う

 

経営者にとって「リスクを取ること」は全てが未来への投資になります。例え今月のキャッシュフローが厳しくなっても3ヶ月後、1年後の収益のためにリスクを取る選択をします。
でもパートナーにとってリスクは「生活が不安定になる危険」。
だから、経営者が「ここで攻めるか、守るか」と悩んで相談すると、返ってくるのは「やめておいたら?」という言葉。
この瞬間、「ああ、この話はもうできないな」と感じてしまうのです。

 

 

 

心配をかけたくない気持ち

 

本当は弱音を吐いたり相談したい時もあります。
ですが、経営者にとって心配をかけることは「相手を不安にさせること」だけではありません。
自分自身が「弱い姿を見せた」と感じてしまう痛みでもあります。
「大丈夫って思わせなきゃ」「心配させちゃいけない」と、相手を思う気持ちと自分のプライドが重なり合って、ますます口が重くなる。

 

そして、最初は「次は言おう」と思っていても、何度も同じことを繰り返すうちに、気づけば「もう言わない方が楽」と諦めに変わってしまうのです。
そうして、夫婦の間に“見えない壁”が少しずつ積み上がっていきます。

 

 

 

 

話せないまま抱え込むとどうなる?

 

• 不安を一人で抱え込み、夜眠れなくなる
• 「これで合ってるのか」と迷いながら判断を下すようになる
• 夫との会話が事務的になり、心の距離が広がる

 

実際、ある経営者の方は「夫とは最近、子どもの話しかしていない。仕事のことを話そうとすると、無意識に避けてしまう」と話していました。
経営のことを理解してほしいわけではない。
ただ、「その気持ち、分かるよ」と寄り添ってほしいだけなのに、それが得られない。
その寂しさが、経営者をより孤立させていくのです。

 

 

 

解決のヒントは「相談相手を分けること」

 

経営の悩みを夫に全部理解してもらおうとするほど苦しくなってしまいます。
大切なのは、誰に・どんな悩みを相談するかを分けることです。

 

夫に話すべきこと

• プライベートで必要な事の対話
• 「疲れた」「頑張った」といった気持ちの共有
• 「応援してほしい」という素直な言葉

 

夫に経営の判断を委ねる必要はありません。
ただ、感情や安心を共有するだけで、夫婦関係はぐっと安定します。

 

経営仲間・専門家に話すべきこと

• 売上の上げ方や資金繰りなど数字に関わる話
• 新規事業の可能性やリスク
• スタッフ採用や組織作りの悩み
• 事業運営に関するあらゆること

 

経営の事は同じ立場にいる経営者や、経営の先輩達にしか分かりません。
だからこそ、経営者コミュニティで横のつながりをもったり、それぞれの専門家に相談する事で悩みを抱える事なく経営に集中できるのです。

 

 

 

夫婦関係を守りながら経営を続けるために

 

経営者という特殊な環境、働き方の悩みは同じ立場を経験した人でなければ本当には分かりません。
でも、それは「夫が頼りにならない」という意味ではありません。

 

むしろ夫には、経営から切り離された「家庭を守る存在」としての役割があります。
• 一緒にご飯を食べて、笑う時間を持つこと
• 経営の話を抜きにして妻として見てもらえること
• 仕事を離れたところで安心できる居場所を作ること

この関係性を守ることで、経営も家庭も両立しやすくなります。

 

 

 

まとめ

 

「事業の悩み、夫にはもう相談できない」と思うのは、あなただけではありません。
多くの経営者が、同じように家族に理解されない苦しさを経験しています。

大切なのは相談先を意識して分けること。

それを意識すれば経営者は孤独感を抱える事なく、家族との関係も守りながら事業を続けていけます。

孤独に耐える必要はありません。
「相談できる人がいる」というだけで経営はずっと楽になります。

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